エンジンがかからない!電気はつく?車のカチカチ音の解決策を紹介
カチカチと音がしてエンジンがかからないというのは珍しいトラブルではありません。原因はバッテリー上がりなどが考えられます。発する音によって原因や対処法が異なります。
本記事では、カチカチ音がしてエンジンがかからない場合に考えられる複数の原因や対処方法を解説しています。ご自分で直す場合の手順や、直せなかった場合の対処法についてもご紹介します。
目次
エンジンがかからずカチカチ音がするときはバッテリー上がり?
エンジンがかからず、カチカチという異音がする場合の原因は主に5つ考えられます。
バッテリーが上がっている
エンジンがかからず異音がする場合、真っ先に疑うのはバッテリー上がりです。バッテリー上がりには次の原因が考えられます。
原因 | 詳細 |
ライト消し忘れ | ヘッドライトなど点灯させた状態でエンジンを切る |
経年劣化 | 3年、3万km以上乗っている |
充電系の異常 | オルタネーターやファンベルトの劣化 |
ACCによる電気の使用 | エンジンが始動できず充電できない |
電装品故障 | ナビやドラレコの故障による放電 |
バッテリーが弱っている
バッテリー上がりに比べて症状はやや軽いため、数回スタートスイッチを押すとエンジンがかかることがあります。しかし、これを繰り返すとバッテリーがさらに弱ってバッテリー上がりにつながるので注意が必要です。
バッテリーが弱ってしまうのには次の原因が考えられます。
原因 | 詳細 |
エアコン | 冷暖房の出力を最大限の状態で使用し続ける |
デフロスタ | 消耗する電気量が大きい |
シートヒーター | 同上 |
セルモーターが故障している
セルモーターはスターターモーターとも呼ばれ、エンジンを最初に回転させる重要な働きを持ちます。エンジンは自力で回転できず、セルモーターの助けを借りて動いています。
セルモーターが故障するのは次の原因が考えられます。
原因 | 詳細 |
経年劣化 | 10年以上、もしくは10万km以上乗っている |
使い方 | セルスイッチの長押し |
オイルスラッジ | オイル交換をしないことで汚れが溜まる |
ステアリングロックの故障
ステアリングロックとは盗難を防止する機能のひとつです。エンジンを切ったあとにハンドルを左右に動かすとハンドルが固定され、ロックがかかった状態になります。
ステアリングロックの故障の原因は複数ありますが、主に以下の2つが考えられます。故障の際は異常音が発生する場合があります。
原因 | 詳細 |
ハンドルへの負荷 | エンジン停止後に無理やりハンドルを左右に動かす |
リコール | 初期不良による部品の故障 |
ガス欠の可能性も
意外と見落としがちなのがガス欠です。エンジンが急にかからなくなった場合はガソリンの残量を確認しましょう。
ガソリンが少ない状態で傾斜のある場所に車を停めていた場合、正常にガソリンを吸い上げることができずガス欠になってしまうことがあります。
ガス欠以外にも燃料ポンプの本体、ヒューズ、リレーなどの故障が原因でエンジンがかからなくなることもあります。さまざまな方面からエンジン不具合の要因を探ることが大切です。
ガス欠や燃料ポンプの故障が発生するのには次のような原因が考えられます。
原因 | 詳細 |
メーター故障 | ガソリンが常に少ない状態の場合、接点が擦れて誤表示されることがある |
ガソリンが足りない | ガソリンが常に少ない状態の場合、空気に触れる時間が長くなり錆びる |
エンジンがかからない原因
エンジンがかからない場合、カチカチ、カチンなどの異音が発生します。故障の箇所によって発生する音に違いがあるため、音の種類がわかればエンジンがかからない原因を特定できるかもしれません。
ここからは、発生する異音の種類別に、エンジンがかからない原因をご紹介します。なお、音だけで原因を確実に判断できるわけではありません。あくまでも参考としてお読みください。
カチカチ音の場合
スタートキーを回す、もしくはスタートスイッチを押したときにカチカチ音がした場合はバッテリー上がりの可能性が高いでしょう。このカチカチ音の正体はセルモーターです。
バッテリーが上がった状態でエンジンをかけると、セルモーターに電流が流れずカチカチという音が発生します。
また、バッテリー上がりの場合はカチカチ音以外にも次のような症状が出ることがあります。
- カチカチ音に合わせてメーター内の警告灯が点滅する
- 時計やメーターが表示されない
- リモコンキーが作動しない
バッテリー上がりの場合は電気を使うその他の機器も作動しなくなるため、比較的判断しやすいかもしれません。
カチン音の場合
スタートスイッチを押したときにカチンという音が1回だけ鳴る場合は、セルモーターの可能性が高いでしょう。セルモーターに問題がある場合は、1回しか音がしないケースが多いようです。
ただし、カチン音のあとにキュルキュルというような音が続く場合はバッテリーが弱まっている、もしくは上がっている可能性も考えられるので、判断が難しくなります。
キュルキュル音の場合
キュルキュル音はバッテリーが弱っているときの音です。
このキュルキュル音がしても、ほとんどの場合はエンジンがかかります。しかし、この音がだんだんと遅くなり、勢いが弱まっているように感じてきたらバッテリー自体に問題があると考えられます。
このキュルキュル音を放置したまま乗り続けたり、エンジンがかからないからといって何度もスタートスイッチを押したりすると、バッテリーがさらに弱まってカチカチ音に変化します。
ガガガ音の場合
ガガガ音の場合はステアリングロックの不具合が考えられます。ステアリングロックの場合はハンドルの近くから音が聞こえるので判断しやすいでしょう。
このような場合はステアリングロックの故が原因で異音がしている可能性が高いといえます。
いつもと同じキュルキュル音の場合
いつもと同じキュルキュル音なのに、エンジンがかからないという場合はガス欠が疑われます。すぐにガソリンメーターを確認してください。
無音の場合
まったく音がせず、エンジンがかからないという場合は以下のような原因が考えられます。
原因 | 詳細 |
シフトレバーのパーキング位置 | シフトレバーがパーキングの位置にない |
バッテリーが完全に空の状態 | バッテリーは完全に空の状態だと無音 |
ブレーキペダルの踏み込み | ブレーキペダルの踏み込みが甘い |
スマートキーの電池切れ | キーレスの電池がないと無音 |
上記が原因の場合、ご自分ですぐに対応できないケースもあります。急にエンジンがかからなくなった場合に備えて、次に紹介する対処法を確認しましょう。
カチカチ音がしてエンジンがかからないときの対応方法
カチカチ音がしてエンジンがかからないときの対応方法は次の3つです。
- 自分で直す
- ロードサービスに依頼する
- 業者に依頼する
それぞれご紹介します。
カチカチ音の場合
この状態であれば、まだ自力でエンジンがかかる可能性があります。バッテリーの電圧を上げるのに効果的なのが温めることです。冬ならボンネットを開けて太陽の光に当てたり、お湯をかけたりすることでエンジンがかかることがあります。
ただし、お湯をかける場合は次の注意点を守りましょう。
- 電気部品にかけない
- バッテリーの上からかけず、側面にかける(バッテリー上部には充電時に発生する水素ガスを抜く穴があるため)
それでもエンジンがかからない場合は、救援車を探してブースターケーブルを接続し、電気を送ってもらいます。
ブースターケーブルを接続する手順は次のとおりです。
- 故障車のバッテリーにブースターケーブルのプラス端子(赤色)を付ける
- 救援車のバッテリーにブースターケーブルのプラス端子(赤色)を付ける
- 救援車のバッテリーにブースターケーブルのマイナス端子(黒色)を付ける
- 故障車のエンジンの金属部分にブースターケーブルのマイナス端子(黒色)を付ける
- 救援車のエンジンを始動させ、5分程度待つ
- 故障車のエンジンがかかるか確認する
- エンジンがかかったら車を1時間程度走行させてバッテリーの充電を行う
この方法を行う場合、まずは救援車を探す必要があります。また、大量の電気を使うので、太くて丈夫なブースターケーブルを用意しましょう。
自分で直すもうひとつの方法にジャンプスターターがあります。ジャンプスターターとは携帯用バッテリーのことで、これがあれば救援車の手配が必要ありません。
ジャンプスターターの使用方法は次のとおりです。
- 故障車のバッテリーにジャンプスターターのプラス端子(赤色)を付ける
- 故障車のバッテリーにジャンプスターターのマイナス端子(黒色)を付ける
- ジャンプスターターの接続が終わったら、放電を開始する
- 放電状態になったら、故障車のエンジンを始動させる
- 故障車のエンジンがかかるか確認する
- エンジンがかかったら車を1時間程度走行させてバッテリーの充電を行う
ジャンプスターターはプラス端子、マイナス端子の順で接続します。こうすることでショートするのを防ぐことが可能です。
カチン音の場合
カチン音の場合はセルモーターの故障が考えられます。この異音はギヤシャフトによる可能性が高いです。ギヤシャフトを伸ばせない故障の場合は、カチンではなくウイーンという音がしてエンジンがかからなくなります。
セルモーターを自力で直す場合は、1人がスタートボタンを押し、もう1人がカチン音がする近くでセルモーターを連続で叩くことでエンジンがかかる可能性があります。つまり、最低でも2人以上の人員が必要です。
キュルキュル音の場合
キュルキュル音の場合の対処法はバッテリー上がりと同様です。
ガガガ音の場合
ステアリングロックの制御によりエンジンがかからない場合は、ハンドルを左右に揺らしたり、スタートスイッチを繰り返しオンにしたりしてみましょう。完全に故障していなければ、エンジンがかかることがあります。
いつもと同じキュルキュル音の場合
ガス欠による異音の場合、まずは自動車の停車位置を確認します。坂道など傾斜がある場合は、車を平らな場所まで運ぶとエンジンがかかります。
ただし、ガソリンの残量がわずかなことには変わりありません。このあと長い距離を走行することはできないので、最寄りのガソリンスタンドへ直行して給油を行ってください。
燃料ポンプの故障が原因の場合は、セルモーターを叩くことでエンジンがかかることがあります。
無音の場合
無音の場合はさまざまな要因が考えられますが、それぞれの対処法は次のとおりです。
原因 | 詳細 |
シフトレバーのパーキング位置 | シフトレバーをパーキング位置にしっかりと戻す |
バッテリーが完全に空の状態 | バッテリーを交換しなければ走行できない |
ブレーキペダルの踏み込み | ブレーキペダルをしっかり踏み込む |
スマートキーの電池切れ | スマートキーが電池切れした場合の始動の手順
|
バッテリーが完全に空の場合は応急処置はできません。また、スマートキーは電池がなくなると不便なので、定期的に電池の残量を確認して早めに交換しましょう。
ロードサービスに依頼する
任意保険に加入している場合は、ロードサービスが含まれる契約かどうかを確認しましょう。ロードサービスに依頼すれば、バッテリー上がりやガス欠などの理由でも現場まで駆けつけてくれ、契約によっては無料で対応してくれます。
業者に依頼する
契約している任意保険にロードサービスが含まれていない場合や、もっと気軽に頼みたい場合は業者に依頼するのがおすすめです。車のトラブルに対応するプロに依頼すれば、スピーディで丁寧に対応してもらえます。
カチカチ音がしてエンジンがかからないときはプロに依頼しよう!
カチカチ音がしてエンジンがかからなかった場合、自分で直そうと試みる人も少なくありません。しかし、結果的に直らず、時間を無駄にする人も多いようです。
エンジンがかからない場合、救援車を手配したりブースターケーブルを用意したり、1人では作業ができなかったりと、思うように修理が進まないこともあるでしょう。何よりも車が動かない、このまま動かないかもしれないという不安があり、精神的な負担になってしまいます。
エンジンがかからず自分では対応できないと判断した場合は「バッテリー上がり緊急隊」に依頼しましょう。車を熟知したプロが現場に急行し、トラブルの原因を突き止め迅速に修理します。お客様が安心して車に乗れるように最後まで責任持って対応します。
まとめ
カチカチ音がしてエンジンがかからない場合、バッテリー上がりなど、原因はいくつか考えられます。しかし、なかなか音だけでトラブルの原因を特定することは難しく、ご自分で直すことも簡単ではありません。
エンジンがかからず、ご自分での対応が難しいと判断した場合はプロの業者に任せましょう。迅速かつ丁寧な対応で、エンジンのトラブルを解消してくれます。