車を放置するとバッテリーが上がる?予防法・対処法を詳しく紹介
車を普段からこまめに使っていればバッテリー上がりが起こるリスクはそれほど高くありません。しかし、車に何日も乗らずに放置していると、いざ車を動かそうとしたときにバッテリー上がりで運転できなくなることがあります。
この記事では、バッテリー上がりが起こる原因や防止策、車が動かなくなったときの対処法についてご紹介します。
目次
車に長期間乗らないのはバッテリーが上がりの原因
長期間にわたって車に乗らずにいると、エンジンがかからなくなるなどの問題が起きやすくなります。久しぶりに運転しようとしたときに車のエンジンがかからないのであれば、まずはバッテリー上がりを疑いましょう。
バッテリー上がりは、バッテリーの放電という仕組みによって起こります。車を停めているときには、エンジンなどの機能も停止します。しかし、車のバッテリーは運転していない間にも自然放電を続けているのです。自然放電によって少しずつ電気が消費されるため、長時間そのままにしているとバッテリーからは電気が大きく失われてしまいます。
車をどれだけ放置するとバッテリーが上がるかは一概に判断できるわけではありません。車を毎日使う方や週に2~3回動かす方であればとくに問題はありません。しかし、車を数週間、1カ月以上という長期にわたって動かさず放置すると、バッテリー上がりが起きる可能性が大きく高まります。
バッテリー上がりが起きるまでの期間は、バッテリーの劣化具合に大きく左右されます。購入したばかりの新品バッテリーであれば、数カ月放置しても上がらないケースもあるのです。一方で、劣化が進んでいるバッテリーは数日間放置しただけでもバッテリー上がりにつながってしまいます。
一般的には、バッテリーの放置から数週間~1カ月程度経過するとバッテリー上がりが起きやすくなります。バッテリー上がりを防ぐためには、車を長期間放置しないことが大切です。車を走らせれば、走行のエネルギーによってバッテリーを徐々に充電させることが可能となります。できれば1~2週間に一度、20分以上かけて車を走らせるようにしましょう。
バッテリー上がりは、電気の使用量が充電される量を上回ったときに起こります。つまり、適度なタイミングでバッテリーを充電しておけば、バッテリー上がりのリスクを大きく減らせるのです。
車にしばらく乗らないときにバッテリー上がりを予防する方法
しばらく車を運転しないことがわかっているときには、バッテリー上がりを防ぐ対策をしましょう。次にご紹介する工夫をしておけば、車のバッテリー上がりを防止することが可能です。
1. ときどきエンジンをかける
車にあまり乗らない場合であっても、たまに車のエンジンをかけてアイドリングさせておくことが大切です。
エンジンをかけて20分程度置くだけでも、バッテリーはある程度充電されます。2週間に1回ぐらいの割合でエンジンをかければ、バッテリー上がりの対策になります。
2. マイナスターミナル端子を外しておく
当分車に乗らなくエンジンもかけられない場合は、バッテリーについたマイナス端子を外しておくのがおすすめです。
まずはボンネットを開け、バッテリーのマイナス端子のナットをスパナで外しましょう。あとは再びボンネットを閉めておけばOKです。
車に積んだバッテリーは車を動かしていないときにも少しずつ放電し、消耗していきます。これは、車のシステムに記録された情報の保持、車の時計の保持などのために電力が必要となるためです。車の待機電力は微々たるものですが、時間が経つとバッテリーの大きな消耗が起きてしまうことがあるのです。
マイナスターミナル端子を外すのは自宅内のコンセントを抜いたりブレーカーを落としたりするようなものです。これによって待機電力の消耗がなくなります。一方で車が記憶している情報や時計の設定はリセットされてしまいます。
車種によってはマイナス端子を外すことによってパワーウインドウなどの設定が初期化されることもあります。この設定が初期化されると、窓をオートで開閉する機能が使えなくなってしまいます。
もし、オート機能が初期化されたときには再設定の対処をしましょう。再設定の方法は取り扱い説明書やウェブサイトなどに記載されています。
なお、マイナスターミナル端子を外すときにはショートが起きないよう対処することが重要です。マイナス端子側のケーブルがプラス端子に触れるとバッテリーショートが起きる危険性があります。ショートの防止のためにも、それぞれの端子が触れないよう固定しておきましょう。電気を通さないテープなどをケーブルに巻いておけば、ショートを防ぐことができます。
3. バッテリー自体を外しておく
しばらく車に乗らないのであれば、バッテリー自体を取り外しておくのもよいかもしれません。バッテリーは直射日光や高温の影響で劣化することがあるので、取り外して暗所に保管しておけば安心です。
まずは、車を停止させた状態で、バッテリーのマイナス端子を取り外しましょう。続いてプラス端子を外していきます。外す順番を間違えるとバッテリーのショートが起きてしまうので、必ずマイナス端子から外しましょう。
最後に、取り付けてある金具を除去し、バッテリーを取り外せばOKです。バッテリーを外す際に傾けると内部の液が漏れることがあります。バッテリーを外すときには水平の状態を保つよう気をつけましょう。
車に長期間乗らないときに気をつけたい3つのポイント
車に長期間乗らないときには、バッテリー以外にも気をつけておくべきポイントがあります。車の故障や不具合を防ぐためにも、以下のような対処をしておきましょう。
1. ガソリンを抜いておく
車に長く乗らないことがわかっているときにはガソリンを抜いておきましょう。
ガソリンには酸化する性質があるため、次第に成分が劣化してしまいます。ガソリンの変質によってガソリンタンクが腐食し、ガソリン漏れが起こる危険性もあるので注意しましょう。
ガソリンの酸化を防ぐために、ガソリン用の劣化防止剤を入れておくという方法もあります。しかし、劣化防止剤はしばらくすると効果が薄れてしまうので注意しましょう。一年以上車に乗らない場合にはガソリンを抜いておくのが安心です。
車からガソリンを抜く作業には危険物取り扱い者の専門資格が必要なので、ガソリンスタンドのスタッフや整備業者に依頼しましょう。ガソリンを抜く作業には静電気による発火や爆発の危険がともなうため、資格を持たないほうが自力でガソリンを抜くのは避けましょう。
車を半年以内に動かす予定があるときには、ガソリンをあえて満タンにしておくという方法もあります。ガソリンタンクが満タンであればガソリンが空気に触れにくくなるため、半年程度であれば酸化による劣化もそれほど起こらないのです。
2. 直射日光や風雨を防ぐ
車を動かさずに放置すると汚れや傷、色あせなどのダメージが起きてしまいます。直射日光や風雨によるダメージを防ぐためにも、車はできればカーポートや車庫などに入れておきましょう。
屋外に車を置く場合には、車用のボディカバーをかけておきたいものです。ボディカバーをしっかりとかけておけば、直射日光や風雨による劣化をある程度防ぐことが可能となります。
3. サイドブレーキはかけない
車を停めておくときにはサイドブレーキをかけておくのが原則です。しかし、長期にわたってサイドブレーキをかけっぱなしにするとブレーキの固着が起き、再び車を動かしたときに切り替えられないなどのトラブルが起きやすくなります。
サイドブレーキが固まったままでは、再び車を動かすこともできなくなってしまいます。車を動かさない場合にはサイドブレーキを解除しておきましょう。ただし車が動いてしまう危険性があるため、タイヤには車止めをつけておきます。
車を停止させたうえで、ジャッキで少しタイヤを浮かせておくのも良い方法です。タイヤを浮かせておけば重みによる負担がかからず、タイヤの変形や劣化も起こりにくくなります。
車の放置によってバッテリーが上がったときの対処方法
車を長期間にわたって放置し、バッテリーが上がってしまったというときには、ジャンプスタートなどの方法で対処する必要があります。ここからは、車のバッテリーを復旧させるための方法をご紹介します。
1. 救援車を使って直す
車のバッテリー上がりが起きたときにはほかの車から電気を分けてもらうという方法で復帰させるのが一般的です。救援車を使ってエンジンをかける方法をジャンプスタートと呼びます。
ジャンプスタートには電気を分けてくれる救援車のほかに、ブースターケーブルと呼ばれる配線が必要です。救援車は、バッテリー上がりを起こした車と同じ電圧のものを用意しましょう。
近年増えているハイブリッド車は電圧が少ないため救援車として使うのは難しいものです。バッテリー上がりを直すための救援車はガソリン車を選びましょう。
ショートなどのトラブルを防ぐため、ブースターケーブルは正しい順番で接続しましょう。
まずは、バッテリー上がりを起こした車のボンネットを開け、バッテリーのプラス端子に赤いブースターケーブルを取り付けます。続いて、救援車のプラス端子にこの赤いブースターケーブルをつなぎます。
黒いブースターケーブルは救援車のマイナス端子に接続します。次にバッテリーが上がっている車の適切な場所に黒のブースターケーブルをつなぎます。適切な場所とは、ボルトなど未塗装の金属部分のことを指します。
接続ができたら、救援車のエンジンをかけ、回転数を上げた状態で5分ほど置いて充電させます。しばらく経ったら、救援車のエンジンを保った状態でバッテリー上がりを起こした車のエンジンをかけましょう。
無事にエンジンがかかったらブースターケーブルをつないだときと逆の手順で取り外し、ボンネットを閉めれば完了です。その後、車を数十分走らせてバッテリーを充電しましょう。
2. ジャンプスターターを使いセルフで直す
ホームセンターやカー用品店、ネットショップなどで購入できるジャンプスターターを使ってバッテリーを復旧させるテクニックもあります。ジャンプスターターを使う際には製品の説明書をよく読みましょう。
まずは、赤いケーブルをプラス端子に、その後、黒いケーブルをマイナス端子につなぎます。この状態でバッテリーの電源を入れ、5~10分程度放置します。その後エンジンをかけ、無事にかかったら黒いケーブルを外し、赤いケーブルを外してボンネットを閉めます。
エンジンがかかったあとには車を30分程度走らせ、バッテリーを十分に充電しておきましょう。
3. バッテリーを交換する
バッテリーの劣化によってバッテリー上がりが起きているときには、ジャンプスタートをしても再びバッテリー上がりが起きてしまいます。数年間バッテリーを交換しておらず寿命を迎えていると思われるときには、バッテリー交換の対処をしましょう。
バッテリーの寿命は、ガソリンスタンドやカー用品店などの専門店でチェックしてもらえます。バッテリー内の電圧が12V以下に落ちているときにはバッテリーを交換したほうが良いでしょう。
バッテリーは、カー用品店などで購入し自分で行うことも可能ですが、接続が難しいうえにバッテリーの処分という手間もかかります。安全にバッテリー交換をしたいときには専門店や専門業者に依頼しましょう。
4. ロードサービスに依頼する
電気を分けてくれる救援車がいないときやジャンプスターターがないときには、ロードサービスを利用する対処が有効です。
JAFなどのロードサービスに連絡すれば、バッテリー上がりに素早く対処してもらえます。JAFは全国どこにいても利用できるので、出張先などの遠方でバッテリー上がりが起きたときにも安心です。
JAFに加入していれば、バッテリー上がりのジャンプスタートを無料で依頼できます。ただしJAFの会員となるためには入会金や年会費が必要です。JAFの非会員であってもロードサービスを利用することが可能ですが、非会員のロードサービス利用には所定の料金がかかります。
任意加入している自動車保険にロードサービスが付帯していることも多いものです。保険の加入内容によっては、バッテリー上がりを無料で直してもらえることもあります。車のバッテリー上がりが起きたときには、自動車保険の申し込み内容にロードサービスが付帯しているかを確認してみましょう。
5. 業者に依頼する
バッテリー上がりの対処をプロに依頼するのもおすすめの方法です。プロの業者に依頼すれば、日本全国どこにでもすぐに駆けつけ、バッテリー上がりに対処してくれます。遠方への出張や深夜帯の作業に対応してくれる業者もあるので便利です。
専門業者にはさまざまなトラブルに対処してきた十分なノウハウがあります。バッテリー上がりに加え、車の不具合に関する相談にも応じてもらえるかもしれません。
バッテリー上がりを始めとしたトラブルが起きたときには、ぜひ専門の業者を頼ってみましょう。
【まとめ】
まとめ
長期にわたって車を使わないという場合には、バッテリー上がりに十分注意しましょう。
車を使っていないときにも車のバッテリーは微小の放電を続けているため、しばらく車を放置していると電気がなくなってしまうのです。また、長期間の車の放置によってバッテリーや車自体の劣化も進んでしまうので注意しましょう。
車のバッテリー上がりはジャンプスタートなどの対処で回復できます。しかしジャンプスタートの手順を間違ってしまうとショートなどのトラブルが起きてしまうので注意が必要です。
バッテリー上がりの対応に不安を感じた場合には「バッテリー上がり緊急隊」に依頼するのがおすすめです。「バッテリー上がり緊急隊」はバッテリー上がりのお悩みを持つ方のもとにすぐに駆けつけ、必要な対処を行います。車に関するお困りごとにも幅広く応じておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。