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奈良市の特徴

奈良市は奈良県の北部に位置する市で、生駒市、大和郡山市、天理市、桜井市、宇陀市などと隣接しています。人口は約35万人で、奈良県の県庁所在地で中核市となっています。市域は奈良盆地の北端にあたり、市の東部は山と高原の一部になります。市内には佐保川や、富雄川、大和川、木津川が流れます。710年に『平城京』が置かれ、「長岡京」に遷都される784年までの間、日本の政治や文化の中心地でした。そのため奈良は今でも「古都」と呼ばれています。江戸時代には天領となり発展します。「宗教都市」であるため、太平洋戦争中も大規模な空襲を受けずに済み、現在も多くの文化遺産が残っています。1898年に奈良町が市制施行し奈良市となりました。「奈良」という市名は、市街地が広がるエリアが平坦で、「均した（ならした）ような地形」というのが由来とされています。『東大寺』や『薬師寺』、『興福寺』や、『春日大社』など、数多くの歴史ある神社仏閣が残されていて、日本全国の観光客を集めています。

藤原氏の氏神様として発展した！『春日大社』

奈良市春日野町に鎮座する神社が『春日大社（かすがたいしゃ）』です。全国に約1000社あるとされる「春日神社」の総本社になります。「古都奈良の文化財」として、ユネスコの世界遺産に登録されています。平城京に都が移った710年に藤原不比等が藤原氏の氏神である武甕槌命（たけみかづちのみこと）を祀ったのに始まるという説もありますが、768年に藤原永手が、茨城県の『鹿島神宮』の武甕槌命と、千葉県『香取神宮』の経津主命（ふつぬしのみこと）、さらに大阪府の『枚岡神社』に祀られていた天児屋根命・比売神を、御蓋山（みかさやま）の麓の四殿の社殿を造営したのが始まりという説もあります。藤原氏の氏神ということで、藤原氏の隆盛とともに「春日大社」も隆盛します。同じく藤原氏の氏寺である『興福寺』との関係は深く、神仏習合が進むと、両社は一体のものとなっていきます。明治時代になり「春日神社」と改称し、さらに全国に「春日神社」が増えると、混同するのを避けるため「春日大社」としました。

日常会話に使いたい「ぎょうさん」！個性的な奈良弁！

奈良市のある奈良県には、個性的な方言が伝わっています。大阪弁に比べると、少し柔らかい印象のある方言で、独特の味わいがあります。例えば「ぎょうさん」という方言があります。「ぎょうさん」は奈良でよく使われるフレーズで、「たくさん」という意味があります。テレビを見ていると関西の人が使っているのを聞いたという人もいるかもしれません。例えば母親が料理をたくさん作ってくれた時、テーブルの上にたくさんの料理が並びます。このような時、奈良の人は「ぎょうさん料理を作ったんやね」などと「ぎょうさん」という言葉を使って心情を話します。「たくさん仕事がある」と言いたい時も、「ぎょうさん」という方言を使って、「今日は、ぎょうさん仕事がある」と言うことができます。週末に買い物をするときに、たくさん服や雑貨を購入する日があるかもしれません。このような時も、「たくさん」の代わりに「ぎょうさん」を使って、「ぎょうさん服を買うてしもうた」などと話すことができます。日常会話に取り入れやすい「ぎょうさん」を覚えておきましょう。

大和国を支配するほどに隆盛を極めた！『興福寺』

奈良市登大路町に鎮座する法相宗大本山の仏教寺院が『興福寺』です。御本尊は「中金堂」の釈迦如来です。不空羂索観世音菩薩を御本尊とする「南円堂」は、西国三十三所第9番札所に、また薬師如来を御本尊とする「東金堂」は、大和北部八十八ヵ所霊場第62番となっています。藤原氏の祖となった中臣鎌足とその子息・藤原不比等ゆかりの寺院で、藤原氏の氏寺として強大な勢力を誇りました。669年に中臣鎌足夫人の鏡大王が、夫の平癒を願って釈迦さん尊像を本尊とし創建した『山階寺（やましなでら）』がこのお寺の起源とされています。710年の平城京への遷都に際して、藤原不比等は「山階寺」を現在地に移転し「興福寺」と名付けます。この710年が創建の年と考えられています。平安時代には大和国の荘園のほとんどを有して、事実上の国主のような状態になります。「興福寺」の周辺には多数の付属寺院が建てられて、最盛期には百以上だったそうです。1998年に世界遺産に登録され、世界中から観光客を集めています。