アクアのバッテリー上がりの原因や対処方法を詳しく解説
ハイブリッドカーのアクアには、駆動と補機を担う2つのバッテリーが備わっているものの、ライトのつけっぱなしなどで補機バッテリーが上がると車を動かせなくなります。
本記事では、アクアのバッテリー上がりの原因と対処方法を詳しく解説します。
目次
アクアのバッテリー上がりが発生する原因
大容量のバッテリーを積むハイブリッドカーでも、バッテリー上がりは発生します。理由として、アクアには2つのバッテリーが備わっており、そのうち「補機バッテリー」は通常のガソリン車と同じ容量のため、電気を消し忘れてしまうとバッテリーが上がってしまいます。
駆動と補機を担う2つのバッテリーがある!
アクアを含むハイブリッドカーには、以下の2種類のバッテリーが備わっており、それぞれ、容量や役割が異なります。
駆動バッテリー:
メインバッテリーとも呼ばれ、モーターを動かし、車を走らせるために不可欠なバッテリーです。ハイブリッドカー特有のバッテリーで大容量のため、バッテリー上がりは起きづらくなります。
補機バッテリー:
ライトやエアコンの利用のように、電気モーターに電力を供給するためのバッテリーです。一般的なガソリン車と同程度の容量のため、バッテリー上がりが発生しやすくなります。
補機バッテリーが上がっても動かなくなる
アクアのバッテリー上がりは、主に補機バッテリーで発生します。
「駆動バッテリーがあれば車自体は動きそう」と思うものの、補機バッテリーはハイブリッドシステムの起動時の電力を担っています。そのため、バッテリーが2つあるアクアでも、補機バッテリーが上がると動かなくなってしまうため注意が不可欠です。
次から、アクアの補機バッテリーが上がる原因を解説します。
ライトをつけっぱなしにしていた
バッテリー上がりの原因として多いものが、ルームランプの消し忘れです。
車内のライトをつけっぱなしにしていると、電力の消費量に対し充電量が追いつかなくなるため、バッテリーが上がってしまいます。
電装品の使いすぎ
発動機が始動している状態でも、エアコンやドライブレコーダー、シガーソケットからの電子機器の充電など、車内で電装品を使いすぎると過放電でバッテリーが上がることがあります。
複数台の電装品を同時に利用するときは注意が不可欠です。
バッテリーの寿命
補機バッテリーの寿命はメーカーにより異なるものの、2~3年程度です。ライトの明かりが弱くなったり、発動機始動時のセルモーターの動きが鈍くなったりすれば、交換のサインです。
上記の兆候があり、バッテリーを3年以上交換していなければ、寿命により突然バッテリーが上がってしまうこともあります。
外気温が低い
季節や地域に限定されるケースの原因として、外気温の低さが挙げられます。
一般的にバッテリーは新品であっても、25度前後で100%、0度で75~80%、-20度で50%前後まで性能が落ちるとされています。
そのため、古いバッテリーを積んだままスキー場などに出かけると、内部の液体温度が低下し、バッテリーが上がることがあります。
長期間エンジンをかけていなかった
車の電装品は少量ながら、電力を消費しています。そのため、長い間車のエンジン(発動機)をかけていないと、自然放電が進みバッテリーが上がってしまいます。
車に乗らなくても、月に1度はエンジンをかけるなど、メンテナンスが不可欠です。
アクアのディスプレイに表示されるのは駆動バッテリーのみ
アクアはディスプレイ上に充電池残量などが表示されるものの、これは駆動バッテリーの残量のみとなります。そのため、補機バッテリーの残量を画面上でチェックし、バッテリー上がりに備えることはできません。
なお、バッテリーの警告灯が表示されている場合、駆動バッテリーに問題があるため、すぐにディーラーに点検に出しましょう。
アクアのバッテリー上がりの対処方法
アクアのバッテリーが上がってしまったときは、以下の方法で対処できます。
- 救援車とブースターケーブルで繋ぎ電気をわけてもらう
- ジャンプスターターを使う
- ロードサービスなどに依頼する
ジャンプスターターを積んでいればひとりで対処できるものの、そうでない場合は救援車が不可欠です。また、高速道路や山間部のように危険性の高い場所では、自力で対処せず、ロードサービスなどを依頼したほうがよいでしょう。
アクアのバッテリー上がりで開錠できないとき
アクアは通常、スマートキーのボタン操作でドアを開閉します。しかし、補機バッテリーが上がってしまうと、スマートキーの操作もできなくなるため、「メカニカルキー」という金属製の鍵を取り出してドアを開けなければいけません。
メカニカルキーの出し方と解錠方法は以下のとおりです。
- スマートキー側面のPUSHボタンを押す
- メカニカルキーの突起を引っ張り引き出す
- メカニカルキーを運転席のドアノブにある鍵穴に差し込み開閉する
なお、上記はメカニカルキーの電池が切れたときにも有効な方法です。
次に、アクアのバッテリー上がりの対処方法をそれぞれ解説します。
アクアと救援車をブースターケーブルで繋ぐ方法
アクアと救援車をブースターケーブルで繋ぎ、ジャンプスタートする方法は以下のとおりです。
- 救援車の発動機を切る
- アクアのボンネットを開けて救援端子を見つける
- ヒューズボックス内の救援端子の蓋を開ける
- アクアの救援端子にブースターケーブルの赤い端子(プラス)を繋ぐ
- 救援車のバッテリーにブースターケーブルの赤い端子(プラス)を繋ぐ
- 救援車のバッテリーにブースターケーブルの黒い端子(マイナス)を繋ぐ
- アクアの金属部分にブースターケーブルの黒い端子(マイナス)を繋ぐ
- 救援車の発動機を始動して回転数を上げる
- 5分程度アクアのバッテリーを充電する
- アクアの発動機を始動する
- 発動機をつけたままブースターケーブルを繋ぐ時と逆の順序で外す
- アクアを30分~1時間程度走行しバッテリーを充電する
アクアと救援車をブースターケーブルで繋ぐときの注意点
救援車と繋ぐときは、その順序を守ることが大切です。順序を間違えたり、別の場所に繋いだりするとショートする可能性もあるため、十分注意しましょう。
救援車のバッテリーが12Vかチェックする
アクアのバッテリー上がりを救援車で解決する際は、両車が同じ電圧のバッテリーでなければいけません。なお、通常のガソリン車であれば、アクアの補機バッテリーと同じ12Vのバッテリーを積んでいるため問題ありません。
ただし、以下の車両はバッテリーの電圧数が異なり救援車として使用できないため注意しましょう。
- トラックなどの大型車両(24Vのため)
- ハイブリッド車(構造上救援車になれない)
異なる電圧の車でジャンプスタートすると、ショートする恐れがあるため事前にチェックしましょう。
ブースターケーブルに破損などがないかチェックする
ブースターケーブル自体が破損していると、危険がともなうためジャンプスタートはできません。以下のような問題がないか事前にチェックしましょう。
- 被膜部分に破損はないか
- ケーブルは断線していないか
- クリップ部分がガタついていないか
アクアは救援端子とボディアースに繋ぐ
アクアなどのハイブリッドカーはほかのガソリン車と異なり、バッテリーは車内にあります。そのため、ボンネット内にある救援端子とボディアースに繋ぎます。
救援端子は助手席側のヒューズボックス内にあるため蓋を外します。その後、救援端子の「+」と書かれた赤いカバーを外し、金属部分が出るようにしましょう。
また、黒い端子(マイナス)は運転席側の発動機部分にボディアース(未塗装の部分)があるため、そこに繋ぎます。
ブースターケーブルの繋ぐ順序を間違えない
ブースターケーブルの繋ぐ順序は、アクアの救援端子→救援車の赤い端子(プラス)→救援車の黒い端子(マイナス)→アクアのボディアースとなります。また、外すときは繋ぐ時とは逆の順序で外します。
上記の順序を間違えると、ショートして故障などに至る恐れもあるため、チェックしながら進めましょう。
ブースターケーブルは車体やマイナス端子にくっつけない
ブースターケーブルのアクアの補助端子に繋いだ後は、もう一方の赤い端子(プラス)が車体や金属部分、黒い端子(マイナス)に繋がないように注意しましょう。ショートする恐れがあります。
同様に、外すときも電気が流れているため、金属などに触れるとバッテリーが故障することがあるので、慎重に作業を進めましょう。
発動機を始動した後は点検に出す
アクアのバッテリー上がりをジャンプスタートで直した後は、早めにディーラーなどに点検に出しましょう。理由として、バッテリーが損傷していたり、寿命だったりする場合、発動機をとめると、再び停止することがあるためです。
また、バッテリー以外に原因があれば、走行中に停止する恐れもあります。
アクアのバッテリー上がりをジャンプスターターで直す方法
ジャンプスターターとは、車用の予備バッテリーのことです。ブースターケーブルに繋げば、自力でバッテリー上がりを直せます。
直す順序は以下のとおりですが、製品により異なることもあるため、説明書もチェックしましょう。
- 充電済みのジャンプスターターを用意
- ブースターケーブルを取り付け
- アクアのボンネットを開ける
- 赤い端子(プラス)をアクアの補助端子に繋ぐ
- 黒い端子(マイナス)をアクアの金属部分に繋ぐ
- 充電が終わるのを待機
- 充電が終わったらアクアの発動機を始動
- 発動機を切らずに黒い端子(マイナス)、赤い端子(プラス)の順に取り外す
- 30分~1時間程度走行しバッテリーに充電する
アクアのバッテリー上がりをジャンプスターターで直すときの注意点
ジャンプスターターがあれば救援車がなくとも自力でバッテリー上がりを解消できます。しかし、十分に充電されているか、アクアに適した製品かなどのチェックが不可欠です。
電圧とアンペア数が適切なものを用意する
ジャンプスターターには12Vと24Vの製品があり、アクアであれば12Vの製品が不可欠です。また、アンペア数は普通車であれば300A、ワンボックスカーなど少し大き目の車であれば、400A程度不可欠です。
適切な電圧とアンペア数の製品を用意しないと、バッテリーがショートしたり、ジャンプスタートができなかったりするため注意しましょう。
十分に充電する
ジャンプスターターは少なくとも75%以上の充電量がないと、バッテリー上がりを解消できません。本体に残量を知らせるLEDライトなどがついているため、不可欠な充電量があるかチェックしてから繋ぎましょう。
熱を持ったものは使用しない
ジャンプスターターを充電した直後は熱を持つことがあるため、本体が冷めてから繋ぎましょう。また、連続してジャンプスタートをするときは、数秒の間をおいてから繋がなければいけません。
なお、経年劣化で本体が膨張していたり、熱を持ったまま冷めなかったりするジャンプスターターは使用せずに破棄しましょう。
ジャンプスターターの取り扱い説明書をチェックする
ジャンプスターターはバッテリー上がりの対処だけでなく、懐中電灯機能や、モバイルバッテリー機能を備えたものもあります。
使用方法が複雑な製品もあるため、アクアと繋ぐ前に説明書をチェックしましょう。
ブースターケーブルの繋ぐ順序を守る
ジャンプスターターのブースターケーブルは、赤い端子(プラス)→黒い端子(マイナス)の順で繋ぎます。また、外すときは黒い端子(マイナス)→赤い端子(プラス)の順で外します。
上記の順序を間違えると、バッテリーがショートする恐れがあるため、必ずチェックしましょう。
ブースターケーブル同士が接触しないようにする
ジャンプスターターにブースターケーブルを繋ぐと、電流が流れた状態になります。そのため、赤い端子(プラス)と黒い端子(マイナス)が接触すると火花が出るなどして危険です。
ケーブル同士が接触しないことはもちろん、車の金属部分などにも接触しないように注意しながら作業しましょう。
アクアのバッテリーが上がったらプロに依頼しよう!
アクアのバッテリーが上がっても、ブースターケーブルを積んでいなかったり、端子を間違えずに繋ぐ自信がなかったりするときは、迷わずプロに依頼しましょう。
「バッテリー上がり緊急隊」なら、お見積もりは無料、24時間365日年中無休でバッテリー上がりにかけつけます。もちろんアクアなどのハイブリッドカーにも対応しているため、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
アクアには2つのバッテリーが備わっているものの、ルームランプをつけたままにするなどして、補機バッテリーが上がってしまうと、車自体を動かせなくなります。補機バッテリーを救援車と繋ぐ、ジャンプスターターと繋ぐといった方法で、バッテリー上がりに対応できます。
しかし、バッテリーの復旧作業は危険もともなうため、少しでも難しいと感じたら、迷わずプロに依頼するのがおすすめです。