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大田区の特徴

大田区は東京23区の南に位置する区で、江東区や品川区、世田谷区や目黒区、また神奈川県川崎市と隣接しています。人口は約73万8千人で、区の木はクスノキ、区の花はウメです。市域の中央は平地で、市街地が広がります。京浜運河より東側は埋め立て地となっていて、工業団地があります。1947年に大森区が蒲田区を編入し、大田区が成立しています。大森の「大」と、蒲田の「田」をとって「大田」となっています。現在の区の政治経済の中心は蒲田に集中しています。『大森貝塚』があり、縄文時代から人が住んでいたことが分かっています。『延喜式神名帳』に掲載されている歴史ある神社が多く、また中世には豪族の居館が残されていて、有力な武士が暮らしていたと考えられています。江戸時代になると、天領や幕臣の知行地となり、ノリの養殖などで栄えました。現在は世界4位の乗降客数を誇る『羽田空港』のお膝元として発展し、田園調布に代表されるような閑静な住宅街がある街として発展を続けています。

モースが車窓越しに発見した！『大森貝塚』！

品川区から大田区にまたがる縄文時代の貝塚を『大森貝塚』と言います。1877年に横浜にやってきた、アメリカ人の動物学者・エドワード・モースが、横浜駅から新橋駅に向かうとき、大森駅を過ぎてすぐに崖に貝殻が積み重なっているのを発見します。政府の許可を得て、発掘調査を行い、貝塚であることが判明します。1955年には国の史跡に指定されています。モースが発掘した貝殻や土器、土偶などは現在、東京大学に保管されていて、1975年に国の重要文化財に指定されています。「大森貝塚」は、縄文時代の人々が食べた貝殻などが集積されてできたものです。当時は寒冷化が進み、木の実や動物などの食料が減少した時期にあたります。また箱根山や富士山の噴火によって、食糧確保が難しくなったとも言われています。そのため、海産物を中心に食料の確保をしたため、この「大森貝塚」ができたと言われています。また「指紋」による調査も、「大森貝塚」から始まったとされています。

羽田富士がある神社！『羽田神社』

大田区本羽田に鎮座する神社が『羽田神社（はねだじんじゃ）』です。御祭神は須佐之男命（すさのおのみこと）、稲田姫命（いなだひめのみこと）です。鎌倉時代に羽田浦の領主だった、行方与次郎が牛頭天王を祀ったのが始まりとされています。その後、この地の支配者となった後北条氏が崇敬し、江戸時代になると徳川将軍家からも深い崇敬を受けました。もともとは、『自性院』内の神社として祀られていた「羽田神社」ですが、明治時代の神仏分離政策により、須佐之男尊を祀る『八雲神社』として分離独立しました。1907年には「羽田神社」に改称しています。境内には、明治時代初期に築造された『羽田富士』と呼ばれる富士塚があり、大田区の有形民俗文化財に指定されています。富士講の人々が、明治の初めに築いた人工の富士山で、登山道も整備されています。頂上には浅間神社が祀られていて、小型の富士山のようになっています。富士登山ができない人々がこの山を登ったと言います。『大鳥居駅』から徒歩15分で訪れることができます。

日蓮上人が最後の日々を過ごしたお寺！『池上本門寺』

大田区池上一丁目に鎮座する日蓮宗のお寺が、『池上本門寺（いけがみほんもんじ）』です。1282年に病身の日蓮は、当時のために、山梨県の身延山を出て、茨城県に当時に向かいます。その途中、池上宗仲の館に到着し、生涯最後の20数日間を過ごすことになりました。この時、家の背後の山の上に建立された一宇を、日蓮が開堂供養し、『長栄山本門寺』と命名したのが、「池上本門寺」の始まりとされています。日蓮がなくなると、宗仲は法華経の字数である「69384」坪を寺領として寄進し、寺院の基礎が築かれ、それ以降「池上本門寺」と呼ばれるようになりました。池上宗仲の館は、現在『大坊本行寺』の境内となっています。鎌倉時代、室町時代を通じて、関東武士に崇敬され栄えます。江戸時代には行っても加藤清正や、紀伊徳川家の祈願時となり発展しました。毎年10月に『御會式（おえしき）』が行われて賑わい、約30万から100万の人が参詣に訪れます。出店する屋台の数も400近くに上るなど、境内は大変な人数であふれます。