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知立市の特徴

知立市（ちりゅうし）は、愛知県の中部に位置する市で、刈谷市、豊田市、安城市と隣接しています。人口は約7万1千人で、市の木はケヤキ、市の花はカキツバタです。市域はおおむね平坦で、市の北部に逢妻川、南部に猿渡川が流れています。市名の「知立」は、7世紀の木簡に「知利布（ちりふ）」という地名があることから、古くから使用されている地名に由来します。『知立神社』を建てた伊知理生命（いちりゅうのみこと）にちなむという説もあります。古代はこの「知立神社」の鳥居前町として発展し、江戸時代になると、東海道の宿場町『池鯉鮒（ちりゅう）』が整備されて栄えます。将軍上洛時の宿泊施設として御殿が設置され、物資の集積場として発展するなど、このエリアの経済の中心地となります。現在は名古屋市と岡崎市の企業で働く家族のベッドタウンとして人口を増やし、2016年から『知立駅』の立体交差事業が始まり、大規模な再開発が行われるなど発展を続けています。

知立市伝統の和菓子！『大あんまき』！

知立市の名物料理と言えば『あんまき』です。「あんまき」は三河地方に伝わる和菓子で、細長い生地で餡を巻いた和菓子のことを言います。現在の知立市がある三河エリアの一部は、古来から水が少なく稲作に適していませんでした。そのため麦や小豆、綿などの栽培が中心になっていました。そのような中、麦を粉に引いて、伸ばして焼いた生地で、小豆の塩餡を包んだ「あんまき」は、知立市の『池鯉鮒大明神』の参拝者や、東海道を旅する人々に好評を博しました。知立市の「あんまき」は特に『大あんまき』と言われる、大きな「あんまき」です。1889年に『小松屋本家』の創業者・神谷為吉が考案したと伝わっていて、考案された当初から知立土産として評判になり、参拝客に人気を博しました。また「大あんまき」を製造販売している『藤田屋』がラジオのコマーシャルを流したことにより、「大あんまき」の知名度が高まっています。現在は東京都でも販売されるなど、全国区の人気になっています。

「かんかん」に「きちきち」！愛知の方言とは？

知立市が位置する愛知県には、個性的な方言が伝わっています。その一つが、「かんかん」です。どのような意味か想像できるでしょうか。「かんかん」には「空き缶」という意味があります。空き缶を捨ててほしい時に、「かんかん捨てて」などと愛知の人は言います。また「きちきち」という言葉もあります。「きちきち」には「窮屈」という意味があります。例えば久しぶりに着た服が窮屈になっていた時、「この服、きちきちだ」などと言います。同じように「満員電車がきちきちだ」などと言います。また愛知には「けなるい」という方言があります。「けなるい」は「気怠い」ではなく、「うらやましい」という意味があります。「すぐうらやましがる」と誰かに言いたい時は、「すぐけなるがるだわ」などと愛知の人は言います。最後に紹介する愛知の方言が「こく」です。「こく」には「言う」「する」という意味があります。「嘘をつく」は「嘘をこく」になり、「今、嘘こいたでしょ」などと言います。

日本武尊が神様を祀った神社！『知立神社』

知立市西町神田に鎮座する神社が『知立神社（ちりゅうじんじゃ）』です。旧称は『池鯉鮒大明神』で、江戸時代には「東海道三社」の1つに数えられたと言います。御祭神は鸕鶿草葺不合尊（うがやふきあえずのみこと）、彦火火出見尊（ひこほほでみのみこと）、玉依比売命（たまよりびめのみこと）、神日本磐余彦尊（かむやまといわれびこのみこと）です。日本武尊が東征に赴いた当地で、先勝祈願をし、東国を平定した後、四柱を祀ったのが創建とされています。当初は現在地の東に約1㎞離れた場所にあったとされ、現在地に移ったのは1573年ではないかとされています。『延喜式人名帳』に記載されている式内社で、長い歴史を誇る神社です。中世には水野氏の崇敬を受け、江戸時代に入ると松平氏から社領を寄進されています。近隣20数か村の産土神として、蝮除けや長虫除け、雨乞や安産の神として信仰されました。例祭は毎年5月で山車5台を奉納する『知立祭り』が開催され、境内にたくさんの知立市民を集めます。